再訪海螺溝―四川雑感〔13〕―

2005年7月初頭に海螺溝に訪れたときはあいにく停電に遭い、ロープウェーで4号営地に行けませんでした。そこで、この2010年7月1日(金)~3日(土)にかけて、前回と同じく四川省中国青年旅行社のツァーを利用して海螺溝を再び訪れました。料金は280元(+保険料20元)です。これは標準料金なので、宿泊は2星級となります。また、海螺溝溝内専用観光バス料金(80元)は自費なので、実質は360元ということになります。1日目は、6時半過ぎに西門前に迎えの車が来、永豊立交橋近くで、バスに乗り込み、7時半過ぎに出発しました。

雅安市天全県で昼食後、二郎山トンネル(全長4176m 国道318号)を通り、甘孜藏族自治州瀘定県へと入り、16時前、県城にある大渡河に架かる瀘定橋を観光しました。ここは中国共産党の長征における軍事上の記念碑的存在です。大渡河(長江の主要支流で四川盆地を流れる岷江に楽山市で合流)にかかる瀘定橋は清代の1705年に竣工し翌年に完成し、四川とチベットを結ぶ要点となりました。1935年5月29日、林彪指揮下の先鋒隊は橋桁がはずされ鉄鎖のみとなった瀘定橋を匍匐前進して、右岸(県城)に陣取る国民党軍を攻撃し、橋の奪取に成功します。瀘定橋だけがこの地域での渡河可能地点だったのです。これにより、毛沢東以下の中共中央の率いる長征中の紅軍第1方面軍主力は北への道を切り開くことに成功します。もしこの橋の奪取に時間を費やしていたら、紅軍主力は後ろ(南)から迫っていた国民党軍により大渡河に追い落とされて壊滅の憂き目を見たことでしょう。この意味で、橋の奪取は紅軍の生死をかけたものであり、長征中の英雄物語として語り継がれているものです。

写真1は、左岸側から撮った瀘定橋です。正面に見える橋の入口に国民党軍は機関銃座を構えて防備しました。なお、瀘定橋の入場料は10元で自費です。

瀘定橋観光後、大渡河に沿って南に下り、西へと磨西河の谷を走り18時前に磨西鎮(成都から高速経由328km・海抜約1600m)に到着しました。

2日目は海螺溝観光です。貢嘎山海螺溝国家重点風景景区は、貢嘎(ミニヤコンガ)山主峰(7556m)の東に流れる一号氷河(海螺溝)のところです。一号氷河は全長14.4km・面積23.2㎢・最高海抜6750m・最低海抜2940mと、中緯度地区で最も海抜が低い氷河です。上流から、粉雪盆(厚120m)、大氷瀑布(厚170~30m・幅1100~500m・高低差1080m)、氷川舌(厚150~40m・長さ約6km)の3部に分かれます。入溝料は75元、観光入溝時間は7時半~12時半までです。専用観光バスは7時半~12時半(9時以降は40分毎)で、15時半~18時(40分毎)は営地宿泊者のみ乗車できます。干河壩(ロープウェー乗り場)の終車は15時で、温泉地(1号・2号営地)の終車は17時半です。4号営地へのロープウェー(6人乗り)の料金は往復150元です。

朝食後、7時半に出て、海螺溝入口まで歩き、溝内専用観光バスに乗り干河壩(入口から33km・海抜約3000m)へと向かいます。約1時間の乗車で終点の干河壩で降り、氷河観光です。観光ルートは二つあります。一つは徒歩ルートで、氷河右岸の原始森林の中を歩き、観景台(3km)に至ります。ここから氷河に降りることが出来ます。標準観光時間は3時間半です。もう一つはロープウェールートで、4号営地に至ります。乗車時間は約20分です。ここから氷河に降りることが出来ます。標準観光時間は約2時間です。今回は、前回のリベンジでロープウェールートです。

さて、いよいよ一号氷河観光です。順に写真をお見せします。写真2は、干河壩停留場から見上げた無名峰(約6400m)です。この峰は日の出を受けて輝くので、それを日照金銀山と呼んで、海螺溝の五絶(日照金銀山・氷河・温泉・原始森林・康巴チベット族風情)の一つとなっています。この時はバスから降りると、峰の方向に青空が開けて、峰を見ることが出来ました(朝の磨西鎮の天気は厚い雲に覆われていました)。しかし、その後雲に覆われて、二度と見ることは出来ませんでした。

写真3は、ロープウェー上から、一号氷河氷川舌を上流へと見たものです。写真中央の氷河に赤い点のあるところが徒歩ルートの観景台から氷河に降りたところです。

写真4は、同じく下流へと氷河末端の氷川城門洞を見たものです。氷河に削られたカール地形が下流に延びていることがお分かりでしょう。

写真5は、下流へ氷川舌で、写真3と同じく赤い点が徒歩ルートの観景台から氷河に降りたところです。

写真6は、氷川舌が右へと大きく湾曲するところです。ご覧のように雲が下がってきています。

ロープウェーの終点4号営地(3400m)に着き、駅の右手へと歩き、氷河景観台から、道を下りに取り、氷河へと降ります。標高差は100m程度ですが、下るにつれて急坂となり、氷河末端には石がごろごろして道はなくなり、氷河に到までには足下の注意が肝要です。写真7は、その氷河の中で撮ったものです。

写真8も同様で、ご覧のように、たくましくも氷河を乗り越えて上部に行く観光客がいます。

写真9は、景観台へと戻り、氷河を俯瞰したものです。大勢の観光客がいることがお分かりでしょう。なお、上りには中国式の籠があり、料金160元です。

景観台で休憩していると、雲が北西から南東へと流れて、西に青空が開け、貢嘎山主峰が姿を現し出しました。そこで、さっそく撮ったのが写真10です。峰の下に一号氷河の大氷瀑布が見えます。

写真11は、ペンタックスK-7の望遠側(70mm)で主峰をとらえたものです。雲にかすかに覆われていますが、主峰頂上が見えます。

写真12は、主峰と氷河左岸部です。

写真13は、主峰と氷河全景です。この後、再び雲が出て、主峰は雲に隠れました。主峰を見れたのは30分足らずでしたから、この日の観光客でも多くの人は見れず、幸運としかいいようがありません。

4号営地を後にして、干河壩で昼食を取り、貢嘎神泉(湯温91~89度・炭酸水素ナトリウム型中性・海抜2580m)を源泉とする、2号営地氷川温泉に入りました。入浴料65元、貸しバスタオル10元(保証金100元)です。温泉は45~39度までの湯温の違う浴池からなり、男女混浴のため、水着着用となっています(磨西鎮の随所で販売)。

こうして、16時頃、磨西鎮に戻り、鎮内を散策しました。写真14は、鎮の中央を南北に走るメイン通りの、下の部分の磨西老街(古街)で、ここの住民にはイ族が多いです。

夜はチベット族歌舞ショーを見ました。以前はありませんでしたが、九寨溝と同じく、ここでも演じられるようになりました。入場料は120元です。

3日目は成都への帰りです。8時に出発し、都楽刀具(包丁等)・水晶博博覧館・特色牛肉(ヤク肉)のお土産屋回りをすませ、順調に戻れると思っていたら、前日の大雨で、二郎山トンネルから先の天全県両路・紫石郷間の天全河渓谷で数か所の土砂崩れのため、道路閉鎖となり、トンネル手前で停止を余儀なくされました。約4時間半強待ち、ようやく走り出しましたが、天全県内で所々渋滞もあり、成都市内に戻り解散したのは22時半を過ぎていました。

最後に海螺溝氷河観光図を示します。なお、成都旅游集散中心(新南門)発海螺溝(磨西鎮)行は9時半発で、運賃119元(往復231元)です。

(2010.07.05)

『四川省中国青年旅行社』http://www.cots.com.cn/sichuan/hailuogou/map.htm

〔追記〕 フォトアルバム「四川・海螺溝」はhttps://1drv.ms/f/s!AruGzfkJTqxngpkXzgJUjC2RY_nwfQです。

(2011.09.15)

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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