成灌快鉄(成都青城山快速鉄道)開通―成都雑感〔93〕―

2010年5月12日(水)、開通式を行い、成灌快鉄が営業運転をはじめました。成都市と都江堰市(旧名灌県)を結ぶ快速電車路線なので成灌快鉄といいます。成灌線は以前より計画されていましたが、2008年5月12日の四川汶川大地震で、震源地に近く、甚大な被害を被った都江堰市への、災害復興の一貫として、四川省の重点プロジェクトになり、鉄道部と協議の上、2008年11月4日、建設が全線開始されました。建設の進展で、4月1日から試運転を開始し、メーデーに開通予定でしたが、これが少しずれ込み、地震2周年の日にあわせて開通式になりました。

成都北站(駅)・青城山站間の全長66.2kmが本線で、これに都江堰站手前で分岐して、漓堆公園(都江堰)站への支線(建設中 市内地下路線)6kmを含め72.2kmが成灌快鉄です。途中駅として、本線の安靖・金牛・犀浦・紅光鎮・郫県東・郫県・郫県西・安徳・聚源・都江堰と、支線の迎賓路・李氷広場、以上12駅を設けます。動車組と呼ばれるCHR1型電車(8輛編成)で運行し、成都北・郫県西間は最高時速120km、郫県西・青城山間は220kmとなり、成都青城山間を最速30分で結びます。この速度が快鉄と称するゆえんです。

現時点では、成都始発6時40分・終発21時41分として、成都青城山間9本・成都都江堰間5本・成都郫県西間1本の15本が運行されています。途中停車駅は犀浦・紅光鎮・郫県西・都江堰で、列車により異なり、これにより所要時間は成都青城山間で30~50分となっています。運賃は犀浦まで5元(20km以内)、郫県西まで10元(50km以内)、都江堰・青城山まで15元(51km以上)です。発売は10日前の15時開始で、駅窓口(含む自動券売機)と市内の鉄路代售窓口(手数料5元)で、往復とも購入できます。

さて、この5月前半は例年通り、卒論指導で忙しく、開通自体は知っていましたが、乗れる時間がなく延び延びになっていました。中旬後半に乗車しようと思ったのですが、予想以上に人気があり、特に週末は早くから切符が売れます。一番人気は9時30分発の青城山行で、発売初日にほぼ満席になります。こんなわけで、当初の週末を外して昨日の26日(水)に発乗車となりました。乗車券の購入は成都北駅の自動券売機(駅舎入り口左横1台、切符売り場右側壁2台)で行いました。タッチパネル式で中国語・英語表示です。お釣りも出ますから、小額紙幣でなくとも大丈夫です。1回の操作で15枚まで購入可能です。

駅舎入り口(手荷物のX線検査有り)を入ると左手に2階に上ると、窓側が成灌線の専用侯車室(待合室)です。現時点では、入口で乗車券をチェックし、これが改札になります。ですから、前の列車が発車しないと、待合室には入れません。発車15分前にゲートが開き、ホームに移動します。5站台(5番ホーム)という一番奥のホームなので、歩きます。

写真1は、私の乗車するD6107次青城山行(成都発11時15分青城山着12時)の先頭車両(8号車)です。後方に見えるのが、同じ動車組の重慶北行です。現在、約2時間で成都と重慶を結んでいます

写真2は、発車前に隣の6号車内を撮ったものです。中央の男性はニコンのデジ一眼で記念撮影です。CHR1は本来1・8号車が一等座で他が二等座と運賃が異なりますが、成灌線では全車同一運賃(軟座)です。一等座は2-2列で転換座席はリクライングシートで、二等座は2-3列で転換座席です。中間の5号車には酒吧(バー)があり、飲料や朝食などを提供していますが、市価の倍程度します。

安靖站・金牛站とも完成しており、金牛站で地下鉄2号線と接続の予定です。ここから国道213号(老成灌路)に接して走ります。次の犀浦站は2面の島式ホームを持ち、駅構内で2号線と乗り換え接続の予定です。私の勤務する西南交通大学新キャンパス犀浦校区は駅の東約1kmに位置します。この犀浦鎮は発展めざましく、建設済み建設中の高層マンションが多数見られ、成灌線・地下鉄2号線開通を見越した建設ラッシュとなっており、成都市通勤郊外都市の様を見せています。紅光鎮站まではホームに安全柵が設置されており、本線が列車間隔3~5分運行可能となっていることからも、将来通勤路線としての運用も視野に入っていることを示しています。

郫県西站はちょうど郫県客運中心に接し対置にあり、駅を出るとバスセンターに接続します。また、この駅を出て、望叢西路を約1.5km南に歩くと、古蜀王国の伝説の望帝・叢帝の祀った望叢祠があります。ここは「望叢祠―成都雑感〔50〕―」(2007年10月28日付)で紹介しています。もし、青城山や都江堰観光の帰り、時間に余裕があったら、途中下車し望叢祠観光もいいでしょう。なお、バスセンターからは少し時間はかかりますが、305路金沙公文站行(非エアコン車2.5元、エアコン車3元)があるので、成灌線が満員でも市内に戻るのは容易です。なお、卑県は豆板醤の中国一の名産地として知られており、県城内には工場の直売店もあります。

郫県西を出るとようやく田園地帯となり、聚源站までは国道213号と接して走ります。そして、都江堰市南郊外にできた都江堰站に着きます。ここでかなりの乗客が下車します。都江堰観光であるのはいうまでもありません。駅前からは、漓堆公園行101A路がありますから、都江堰観光にはこれに乗ればいいです。また、都江堰客運中心行101路もありますから、都江堰市からバスで他所へ行くのも便利です。なお、駅の少し手前で右に分岐する線路が見えます。これが都江堰市市内への支線です。

岷江を渡り、田園地帯を走ると、終点の青城山站に到着です。駅出口には自動改札が有り、青色の切符(裏は黒磁気仕様)はこれを通して出ます。写真3は、駅前広場から撮った、駅舎です。現時点では駅舎内と広場周辺には飲料を売る売店すらありません。まだ駅舎の建物のみといった状態です。駅舎を出て、左手に200mも歩くと、バスターミナルがあります。ここからは先の101路・101A路(青城前山行)、102路(都江堰市客運中心発・街子古鎮行)のバスと、青城後山行のミニバスが出ています。駅舎の右側が切符売り場で、中央が入口です。現時点では、中央から待合室に入るときのチェックが改札となっています。実は改作口には自動改札機が設置されていますが阿、まだ運転間隔が長いためか、これを使用していません。発車の15分前になると自動改札機のゲートが開き、ホームに行けます。本駅もそうですが、新駅には身障者用のエレベーターも設置されており、トイレ(駅・車輌とも)も同様で、成灌線は身障者への配慮をなしています。

この日は前日からの雨模様でしたので、観光は止め、折り返しの13時40分発のD6108次で戻りました。この日の18時20分発D614次はすでに売り切れでした。本列車が帰りの一番人気です。青城山站では空いていましたが、都江堰站でほぼ満席となり、発車しました。写真4は、帰りの車中で都江堰站を出てフルスピードになったとき、車内の電光掲示板を撮ったものです。これは、車速・気温・停車駅時刻を表示します。ご覧のように、時速213kmを示しています。実は最高221kmを示しましたが、写真の関係でこうなっています。こうして、途中駅での乗降客を加え、成都北站には満席で、14時30分、時刻表通りに到着しました。

最後の写真5は、都江堰站を出てすぐのところで撮ったものです。写真の青い屋根の建物群は被災者用仮設住宅です。この後、支線分岐点のところにも別の仮設住宅群がありました。まだまだ都江堰市民が2年前の地震の被災から普通の生活に戻れていないことを示しています。

以上、成灌快鉄を紹介してきました。成都市内と青城山を結ぶバスは新南門をはじめ幾つかの路線があり、運賃が16~20元、所要時間が約1時間強です。これと比較すると、料金的にも時間的にも快適さからも鉄道に軍配が上がります。ですから、人気が出て曜日・時間によっては売り出し早々に満席という人気も当然でしょう。惜しむらくは、現時点では運行本数が少ないことでしょう。将来は観光路線と郊外通勤路線の二面で成灌快鉄は発展を遂げるでしょう。

(2010.05.27)

〔追記〕 フォトアルバム「成都・成灌快鉄(成都青城山快速鉄道)」はhttps://1drv.ms/f/s!AruGzfkJTqxngpklblEWy5F1n2W9zwです。

(2011.09.17)

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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成灌快鉄(成都青城山快速鉄道)開通―成都雑感〔93〕― への2件のフィードバック

  1. xiong2_gongzi より:

    それにしても短い工期で完成させるのですね。私が都江堰に行った時は鉄道がなかったので、高速専用線はかなり便利な感があるでしょうね。列車はカナダのボンバルディア社製がベースになった車両ですね。上海から杭州へ行く時に何度か乗ったことがあります。それにしてもこの動車の普及によって、都市間の距離と時間の感覚が変わってしまって、戸惑いを覚えます。成都から重慶まで3時間ですか…(xiong2)

  2. 正大 より:

    xiong2さん、こんばんは。汶川大地震で大きな被害を受けた都江堰市ですから、本鉄道は地震復興の最重点工事でした。6月に四川省と鉄道部の協定が成立し、9月には鉄道設計が出来、11月工事着工というスピード振りです。工事自体も最優先でしたから、平地の工事なので早いわけです。全線立体交差で、長距離間の高架橋も有り、工事費もかかっています。山間部の道路復興は国道213号(震源地汶川県を通り、最も被害を受け、ほとんど新道路建設と同様の復興工事)などは、工事が難航し、予定を遙かに超過し、現在でも工事完了とはなっていません。

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