チベット自治区ラサ市観光―中国雑感〔7〕―

最初に、チベット自治区内への外国人の旅行の現状を述べます。基本からいうと、チベット旅行にはチベット入境証(西藏自治区旅游局外国人旅藏確認凾)の所持を必須とすることです。原則的に同一外国人のみで、旅程・宿泊先を定めガイド同行のツァーを旅行社に手配し、これを旅行社経由でチベット旅游局(観光局)に申請して、入境証が発給されます。申請に当たっては、旅券のコピーが必須です。すなわち、一人であっても、旅行社へ手配旅行をして、ガイド付きでなければチベット旅行は出来ないということです。この規定は以前からのもですが、厳格には適用されず、事実上の個人自由旅行が出来ていました。しかし、ここ数年の情勢の変化により、本規定は厳格に運用されるようになり、現時点では個人自由旅行は非法行為となり、摘発の対象となります。この入境証なしでは、外国人と分かると、交通機関のチケット購入が出来ませんし、正当な宿泊施設でも宿泊を拒否されます。ですから、入境証なしのチベット旅行は不可と存じてください。また、旅行手配から入境証受取まで日数(最低3日)がかかりますから、思い立って、即日チベットに行くことは出来ません。以上のことから、チベット旅行は、準備に手間と日数を要するとともに、費用的にも他の地方に比較して割高になります。チベット旅行に関しては、情勢により変動しますから、これに熟知して実績のある、成都市内で最も定評のあるゲストハウス「成都老沈青年旅舎」http://www.gogosc.com/jp.aspの旅行部のページに「チベット旅行申請方法(2010)」http://www.gogosc.com/jply_tibet_application.aspがありますので、これと関連ページをお読みの上で、計画してください。なお、入境証で旅行できる地域はラサ市とシガシェ(日喀則)市で、他の地区はさらに別の許可(公安局発行の外国人旅行証)が必要です。

さて、私は以上の手配を成都の旅行社でしました。総費用は5泊6日(ラサ観光2日間)約5900元です。内訳は、往路鉄道軟臥下段(1104元)・復路空路(1450元+100元)、宿泊費3泊(朝食付540元准4星級)、入場料(355元 ポタラ宮100元・ノルブリンカ60元・セラ寺55元・大昭寺85元・デプン寺55元)、専用車代(800元)、日本語ガイド費(900元)、旅行社手数料600元、入境証費(50元)、総合費用(30元)です。もちろん、鉄道・宿泊のランクを下げ、中国語ガイド、ラサ観光に公共交通を利用すれば、より安くできます。

実際の旅程は、2010年1月7日(木)~12日(火)で、

7日 夜成都発ラサ行T22/23次乗車

8日 終日列車内

9日 午後ラサ着

10日 終日ラサ観光(ポタラ宮・ノルブリンカ・セラ寺・大昭寺・八角街)

11日 午前ラサ観光(デプン寺)

12日 午前拉薩貢嘎空港発成都双流空港行3U8658便搭乗

と、当初の旅程に比して、ラサ観光が早く終わり、2日目午後が自由時間になりました。ただ、残念ながら、宿泊ホテル(江蘇拉薩生態園大酒店)が不便なところにあり、実際にはホテルで過ごすことになりました。なお、西藏博物館(無料)は室内改修中で閉館していました(春には再開)。

ラサ入りからガイド(チベット族)の迎えがあり、以後、入境証はガイドが保持し、観光中はずっと同行し、観光地によっては入場券購入には入境証提示が必要でした。従って、ガイド付き専用車による観光でもあり、またラサ観光に関する案内書も多く出版されているので、今回はアクセス方法などの観光情報は述べません。また、写真撮影に関しては、世界文化遺産のポタラ宮・ノルブリンカは室内がすべて撮影禁止で、また入場に際しては安全検査があり、液体類も持ち込み禁止と、セキュリティーが厳格となっています。他の寺の場合、観光・お参りに開放された室内は原則的に有料(部屋毎に10~30元)となっています。そんなわけで、今回はラサ市の観光地での室内写真はありません。

そこで、以下にお見せする写真はすべて外観ということになります。写真1は正面からのポタラ宮全景です。右の黄色の建物奥が入口です。白壁の外に見えるのがチベット族の巡礼者です。時計回りで、一周約40分だそうです。この他、ラサ旧市街一周巡礼路もあります。この時期は、農牧閑期なので、チベット族の巡礼の季節に当たり、多くのお参りをするチベット族を目にしました(チベット族はポタラ宮以下が無料)。マニ車や数珠を持って歩く人や、少ないですが五体投地で巡礼する人もいます。

写真2は、ノルブリンカ(ダライラマ離宮)のツォキル・ポタン(湖心宮)です。池は凍り、写真には見えませんが、氷上を鴨が歩いていました。

写真3は、市中心から北に約8kmのセラ寺のツォクチェン(大集会殿)です。本寺の観光を終え、市内で昼食(ガイド・運転手を含め自己負担)としました。

写真4は、チベット街中心に位置するジョカン(大昭寺)です。寺正門前(西)で、五体投地する人々です。これらの人々のため、ご覧のようにマットが用意されています。中にはこれに横たわり休む人もいますが、男女・年齢を問わず多くの人々が熱心に五体投地を行っています。

写真5は、寺2階屋上から見た主殿です。逆に、外へ向かうと、上から五体投地する人々やポタラ宮が見えます。

1日目最後はバルコル(八廊街)散策です。写真6がこれです。写真にはありませんが、武装警察のグループが巡回していました。また、市内の交差点などに武警の警邏ポストを設置し、また巡察の車輌も見かけました。

2日目は市中心から西北に約12kmのデプン寺です。写真7は、ガデン・ポタン(ダライラマ寝殿)屋上からの本寺奥全景で、右奥の金銅の見えるところが本寺の中心、ツォクチェン(大集会殿)で、現在修復工事中で、終了後は白壁と極彩色で覆われるでしょう。以上で、ラサ観光は終わりました。

最後の写真8はおまけです。成都への飛行機上のもので、着陸20分前くらいのもので、四川省最高峰のミニヤコンカ(貢嘎)山〔海抜7556m〕です。なお、本山の海螺溝には氷河があり、この紹介は「瀘定橋・海螺溝―四川雑感〔3〕―」(2005年7月5日付)にしています。

(2010.01.16)

〔追記〕 フォトアルバム「チベット・ラサ」は、https://1drv.ms/f/s!AruGzfkJTqxngpkOo6Bwpctwcn-fGAです。

(2011.09.22)

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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チベット自治区ラサ市観光―中国雑感〔7〕― への8件のフィードバック

  1. より:

    ジュピターです。お忙しいときなのに、ラサの様子をアップしてくださって、ありがとうございます。個人旅行は無理になったんですね。旅行社に手配して、ガイド付きでないといけないんですね。ガイドつきでいいのかあ・・・と、なぜかほっとするものもあります。でもガイドさんは中国語ですよね。日本語は難しいでしょうか。昆明の民族村に行ったときも、日本語をしゃべれるガイドさんは一人もいなかったです。

  2. 正大 より:

    ジュピターさん、こんにちは。現時点では、パーミット発給が規定を厳格に適用していますから、旅行社への手配旅行(ガイド付き)か日本の旅行社のツァーに参加するしか、合法的にチベットは旅行できません。私のガイドは、手配の時に日本語ガイド(最高費用)にしましたから、30代のチベット族の方でした。日本語に問題はありませんでした。ただ、この時期は、春節も近く、観光客も少ないので、日本語ガイドがいない場合もあります。夏季にはチベット族だけでは不足するので、応援の日本語ガイドが四川からやってきます。

  3. やすよ より:

    中国この20年で色んな所に行きましたが、このラサだけは行きませんでした。成都に居た時に行くチャンスもあったんですが、やめました。うーーーん。無理してでも行っておけば良かったかしら、、?と写真をみると思ったり(笑)

  4. 正大 より:

    やすよさん、こんばんは。現在のチベットは外国人には旅行に何かと枠のあるところで、費用的にも高値です。夏だと、ラサ市内は中国人観光客でいっぱいで、チベット族が目立たないそうです。この意味では、寒いですが冬の方がいいかも。

  5. 英治 より:

    初めまして。チベット旅行のことで調べていたら辿り着きました。どこでも書かれてる通り益々厳しくなってるみたいですね。やはりツアーで申し込むしかないのですかね。私は在上海で上海人の友人と行く計画を立ててるのですが、個人旅行として二人で行くというのは無理なようですね。ノーパミで強行突破されてる方もいらっしゃるようですが、さすがに今後滞在が出来なくなったりというリスクを考えると出来ません。もう少し考えてみようと思います。

  6. 正大 より:

    はじめまして、松岡英治さん。パーミットに関しては、3月に入り発行が停止されています。最新の情報によると、29日に発行再開だそうです。ノーパミに関しては、チベット旅行関係の某掲示板でも、これに関する書き込みが最近は見かけません。また、チベットではありませんが、四川省のアバ自治州(チベット文化圏)などでは、再び外国人の立ち入りが停止されています。現時点では、旅行社を通じた手配旅行が間違いないと思います。

  7. Carina より:

    先生、ご無沙汰しております!すばらしい写真、いつも感動しています。おかげさまで、西南中国をいろいろ見ることができて本当にありがとうございます!

  8. 正大 より:

    carina Boさん、こんばんは。このところ、成都市内の方はとんとご無沙汰ですが。ペンタックスを持って出歩いてみます。

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