豆花火鍋―成都雑感〔76〕―

 四川で「火鍋」といえば、真っ赤なだし汁の麻辣味のしびれと辛さの鍋料理とお思いでしょう。ですが、中国で「火鍋」とは鍋物のことを意味しますから、日本の鍋物が各種あるように、各種の火鍋があり、とうぜん辛くないのもいろいろあるわけです。そこで、四川の辛くない火鍋、「豆花火鍋」を紹介します。

 豆花とは豆腐花の略称です。字からお分かりのように、豆腐製品の一種です。通常の豆腐が型枠に豆乳を入れて凝固させて、固まった後に、これを水に入れて、裁断する(なお、中国では裁断ぜず、そのまま出し、客の求めに応じて裁断するのが普通)のに対して、豆花は豆乳を寸胴鍋のような深鍋に入れて凝固させ、鍋のまま店頭に出し、客の求めに応じて杓文字などで掬い取ります。硬さは豆腐よりは柔らかいものです。そうです、豆花火鍋は、この名の通り豆腐花を主具材にした鍋料理です。写真1をご覧ください。これは表面を覆った具材をどかし、杓文字で下に隠れていた豆花を出して見せたものです。鍋の下に大量の豆花が隠れています。そして、汁の色を見てください、赤くないでしょう。かすかな塩味の淡白な汁です。ただし、写真の左に赤黒い汁、これは実はほとんど豆板醤といったつけだれなのです。ここに四川人の料理であることが表れています。もちろん、これを用いず、そのまま食しても、醤油などで食してもいいのです。煮立ったら、まず豆花を食します。それからは適宜各種の具材を食し、さらに追加の具材を入れて食します。

 注文は、メインの豆花を選んで、追加の具材(小皿)を選びます。今回行った店では、豆花は3種類、「素豆花」(野菜類のみ)8元・「葷豆花」(肉類入り)11元・「三鮮豆花」(肉・魚介類入り)13元です。この値段は1人分です。追加の葷菜は10~5元、素菜は3~1元です。なお、豆花の追加は無料で、飲料として豆乳が無料で付いてきます。写真1は三鮮豆花です。

    さて、今回行った店は、西南交通大学付近にはこの豆花火鍋のいい店がないので、四川大学付近の店へと遠征しました。ちょうど、夕方のラッシュ時とも重なり、バスで1時間ほどかかりました。これが、写真2に見る、「瀘州酸菜豆花」店です。瀘州とは成都市西南約280kmの長江に接する市です。酸菜とは四川風の漬け物のことで、白菜が一般的です。写真をごらんのように、気取ったレストランではなく、典型的な庶民の食堂といった店構えです。時間は平日の20時くらいですが、ごらんのように客でいっぱいで、流行っている店であることがお分かりでしょう。私たちが着いた18時半頃では、席待ちの行列を作っており、店員に告げて順番を待ちました。店の住所は共和路8号附4号です。行き方は、一環路南一段中間付近(最寄りのバス停は紅瓦寺―12192734727792112路)で、南に紅瓦寺街(角に学府歌城という映画館の入ったビルがあります)に入り直進し、ぶつかった道が共和路ですから、左に曲がり、歩くとすぐです。また、共和路を進むと、太平南街になり、九眼橋に出ます。なお、共和路の東側は四川大学本キャンパスです。

 

(2008.12.26)

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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