四川汶川大地震9日目の西南交通大学九里堤キャンパス―成都雑感〔66〕―

 すでに地震発生から9日目(20日)に入りました。報道の如く、昨日1428分、中国全土では地震犠牲者への黙祷を行いました。本学でのサイレンは約1分前には鳴り出し慌てさせましたが、全学が黙祷しました。

 さて、第2週に入り、成都市内は落ち着いているように見えます。インフラ・住居などのハード面は確かにそうです。基本的に問題ありません。しかし、ソフト、心的な面はまだまだです。これを如実に現したのが昨晩からの出来事です。

 昨晩23時過ぎ、宿舎の服務員がドアを叩き、1920日に余震があるから避難せよと告げました。これから少し経ち、外事処副処長らが来、1920日にM6~7の余震があるから戸外へ避難せよと告げました。すでに、四川テレビのテロップで、四川地震局のこの余震注意喚起と安全対策をとるように、との情報に接していましたので、この件と分かりました。地震当日と同様に、自己責任で自室に残りました。さらに、日本語学科主任からの電話で、全学休講と告げられました。寝る前(20日1時)に、外に出てみると、宿舎前の中庭には欧米の留学生たちが立ったまま退避していました。

 本日は休講となり、午前、キャンパス内を歩くと、地震発生翌日以上にテントが目立ち、道路には駐車中の車が目立ち、中で過ごす人も目立ちました。まだ多くの学生が大学の設置した仮設テント内で布団の上で過ごしていました。場所によっては、どこから持ち込んだのか知りませんが、地面にレンガを敷き詰め、この上に蓆・布団を敷いていました。

 この余震注意報による退避騒ぎは、成都市全域に発生し、多くの市民が戸外で過ごし、市中心広場の天府広場は退避した市民のテントで埋まりました。これのみならず、昨晩の卒業生からの電話で、遠く重慶市でも発生したことを知りました。

 本日の新聞『成都商報』には、余震関係の記事として、1面に20日付「成都市抗震救災指揮部・通告」を載せ、この通告で、余震情報を告げるとともに、この余震で成都市内に大きな被害は与えないから、市民は慌てる必要がない、との専門家意見を添えています。さらにその下に、専門家の余震に関する解説談話を載せて、安心を促しています。また、別面では住居の安全策を解説し、「貼紙法」という、壁にひび割れなどの被害を受けた建物が余震などでこれ以上危険であるかどうかの判別法を述べています。結論として、成都市内の建物の絶対多数は安全であるとしています。

 以上の騒ぎは、未だ成都市民が地震に対して恐怖心を抱えており、人心が安定していないことを示しています。今回の地震で、中国中央テレビ(CCTV)はじめ、四川・成都テレビはいわゆる検閲なしの実況中継体制をとっています。余震情報にしても、発表されます。しかし、市民はこのような報道に接したことがありません。統制されていた報道が急に統制から放たれたことに、むしろ戸惑いの色を見せているといっていいでしょう。まだ、報道を心から信じられないといったところです。このことと、地震に対する基本知識の欠如から、疑心暗鬼な過剰反応となると思います。これは市民のみならずより上の層でも同様なのです。

 最後に、本余震に関する、新華社サイトでの報道原文を載せておきます。

新華網成都5月19日電 據四川省地震局消息,汶川余震活動水平為6-7級左右,5月19日至20日汶川地震區附近余震發生的可能性較大。有關公告提醒,當地各級政府要視情況做好地震應急預案,廣大群眾要做好防震避震準備。

 

080520成都商報 003

(2008.05.20)

〔追記〕  夕方学内を散歩しました。。午前に比して、テント・路上停車ともに増えています。商店の多くはシャッターを下ろし休業中です。しかし、中国ではおなじみの赤・青・白3色の包装用シートを売る店には客が並んでいます。手製テントを作るためです。こうしてみると、今晩も多くの市民・学生が戸外で過ごすことになります。明日も休講です。(18時50分)

 

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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四川汶川大地震9日目の西南交通大学九里堤キャンパス―成都雑感〔66〕― への3件のフィードバック

  1. より:

    みんな恐怖でいっぱいなんですね。
    本当に気の毒です。
    また、道路復旧の作業員たちが200人も土石流に巻き込まれたとか。
    二次災害が追い討ちをかけるなんて。
    私も阪神大震災のあと、ソファに座っていても何か揺れている感じがして、恐怖がなかなか去らなかったのを思い出します。
     
    周りが落ち着かない中、きっと知らず知らずのうちに、かなりの疲労がたまっていると思います。
    どうぞご自愛ください。

  2. より:

    今、テレビのニュースで、ここに書いてくださっている成都の状況を見ました。
    大変な中におられます。
    どうぞくれぐれもお体に気をつけてください。

  3. 正大 より:

    ジュピターさん、こんばんは。成都市での本地震の震度は、震度4~5弱と推定されています。中国では、震度という概念がないため、発表は里氏X級(マグニチュード)のみとなります。今回の地震は中国地震局の発表では、当初M7.8、後にM8に上昇修正されました。震源地は正確には、北緯30度51分、東経131度44分です。これは当初の発表より、成都市に近くなり、約65kmとなります。以上により、成都市では基本的に一部の建物の壁などにひびが入る程度の被害ですみましたから、余震のM6~7程度では問題ありません。ご心配におよぶことはありません。私は至って元気で、食欲も旺盛です。中国人から電話がかかるたび、余震は心配ないから、安心しなさいといっています。ただ、記事でも述べたように、市民の心的恐怖心はなかなかのもので、私の宿舎でも、今夜も空き地にテントを張って過ごす人がいます。

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