DVDソフト事情(10)昨今の日本のテレビドラマ―成都雑感〔4〕―

 久しぶりにDVDソフト事情について書きます。2004年春より登場した、すでに(3)・(6)・(8)で述べている、MPEG-4により圧縮比を高めて画質は劣るが収録時間を数倍にした圧縮DVD(HDVD)は、テレビドラマ(日本のを問わず各国とも)の海賊版の主体となっています。それのみか、中国ドラマの正規版もVCDからHDVDに移行しました。DVDでの日本のドラマも全くないわけではありませんが、放送録画のボックスものが放送終了後にごく一部の店でわずか流通するのみです。すなわち、現在ではドラマはHDVDということになります。
 HDVDには、最初に出現したHDVD(片面1層)、その後のHDVD-9(片面2層)・HDVD-10(両面1層)・HDVD-18(両面2層)の4種があります。HDVDはなくなり、他の2種も一部の店に少量あるのみで、現在はほぼHDVD-9の独占状態になりました(正規版はHDVD-9)。したがいまして、圧縮DVDといえば、HDVD-9を指すといえます。HDVD-9は海賊版では1枚4元です。

 日本のテレビドラマは1クールものの場合、最初のHDVDでは2枚(後に3枚)組でした。これがHDVD-9となると1枚に納まるようになりました。当然ながら価格は安くなったわけです。しかし、去年秋ドラマから2枚組が出てきました。他の国のドラマに比して、日本のドラマは回数が少なく、利が薄いから枚数を増やしたと思います。そのかわり、1枚に5・6話入り(極端なのはNHK大河ドラマ『義経』で、2枚組で49話)、画質が向上して、VCD並かこれ以下であったのが、これ以上になりました。しかしながら、ものによっては、2本のドラマが入っており(このこと事態は悪いわけではありませんが、紙カバー表紙には1作品のみ表示)、しかも9:6サイズを4:3サイズに上下を伸しているものもあります。(例示すると、『Dr.コトー診療所2006』にはこれと『僕の歩く道』が)このサイズを伸したのには『結婚できない男』もあり、油断できません。このことは中国国内でのテレビ放送がまだ9:6サイズでないため、かかる次第になったと思います。

 では、本年の冬ドラマはどうなっているでしょうか。2枚組(8元)HDVD-9が基本です。元版は地上デジタル放送のHDレコーダー録画です。今度はきっちりとした9:6サイズで、中国語字幕のoffが出来るのが基本です(以前これは少数)。すでに、視聴率20%超えのドラマ3本とも出てきています。『ハケンの品格』(3月14日終了)を22日、『花より男子2』(16日終了)を23日、『華麗なる一族』(18日終了)を25日に学内の店で見ています。この他、終了したドラマのいくつかも出ています。『花より男子2』は3枚組で第1シリーズと込みです。シリーズ化されたドラマの場合、放送終了後もしくはその後に、シリーズ全体が組で出されます。3月には去年秋ドラマの『Dr.コトー診療所2006』が、2004年のスペシャル放送も込みで、シリーズ全体が2枚組で出ています。

 以上のように、中国での日本テレビドラマの海賊版は極めて早く出てき(放送終了1週間前後)、画質も上がり中国語字幕offもでき、確実に質も向上しているといえます。

 なお、以下にこれ以前の「DVD事情」記事を示しておきます。

(1)映画2005年1月4日)

(2)テレビドラマ(同上)

(3)アニメ他(同上)

(4)海賊版『ごくせん』2005年3月30日)

(5)日本(5)日本原版ボックスの海賊版が消えた2005年9月14日)

(6)日本原版(6)日本原版ボックスの海賊版が復活20051016日)

(7)電脳街の隠れDVD店舗20051210日)

(8)新タイプの圧縮DVD2006年3月10日)

(9)「迷」日本語字幕付の外国語映画2006年6月10日)

(2007.03.25)

 

追記   コメントへのお答えとして、『華麗なる一族』に関することを述べましたので、コメントもご覧ください。(2007年3月28日)

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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DVDソフト事情(10)昨今の日本のテレビドラマ―成都雑感〔4〕― への6件のフィードバック

  1. xinhua より:

    一番期待するのは、日本語字幕版のドラマDVDですね、日本語を勉強するために。(^_^)

  2. xinhua より:

    日本のドラマが大好きです。今年の冬ドラマですが、「華麗なる一族」が一番好きです。でも、つらいですね、鉄平の死ので。「鉄平はB型だったんです」って残酷なことを聞いた父は苦しんだ。。。本当に風刺だと思います。

  3. 正大 より:

    華@東京さん、いらっしゃいませ。『華麗なる一族』ですが、これは74年に、山本薩夫監督の映画版と毎日放送(現朝日放送系列)のテレビ
    ドラマと、過去に2回映像化されています。この2回とも私はリアルに見ていました。映画版は現在でもDVDが出ており見ることが出来ます(私も中国でいわ
    ゆる海賊版で)。しかし、テレビドラマ版は再放送もされず、DVD化もしていないので、この内容を知る人は若い人にはいません。私も詳しくは記憶していま
    せん。TBS版を見終わったので、これに対する私の感じを述べます。総体的にいえば、やはり主役を大介から鉄平に替えたことは、原作から離れた点が多くで、リアルさに欠けた点がでてしまいました。この点は爆発事故以降の展開において目立ったと考えます。例
    えば、裁判の件ですが、会社更生法との関係からいえば、原作通り公判に至らず、公訴取り下げが経済・法律上からリアルです。この裁判・公判をドラマに取り入れた
    のは『白い巨塔』のそれを意識していたのではないでしょうか。とりわけ銭高常務の証言はまるで『白い巨塔』の柳原医師のそれの模倣ですが、銭高が頭取への
    忠誠心をかなぐり捨てて何故証言に立ったか、まるで説得力に欠けたと感じました(「私も鉄鋼マン」では??)。配役の点からいうと、鉄平
    に木村拓哉を当てたのは、鉄平が生真面目で技術者タイプの人間であるのと木村拓哉自身のキャラがずれているといえるので、キムタクには酷な役振りと感じま
    した。次に、総体としての女優陣がそれぞれの人物を表現しえなくて、違和感と弱さがありました(74年の二つとは比較になりません)。そして、万表頭取
    (北大路欣也)との対比において、三雲頭取(柳葉敏郎)は都市銀行頭取とは見えず、明らかに配役上のバランスを欠いた人選と思います。こうしてみますと、
    個々の俳優の演技の善し悪し以上に、俳優のプロデュースに問題ありと感じました。この点で74年の重厚さと優雅さから見れば、なんとも軽い感がしました。最
    後に、原作の60年代末をそのまま維持したのはいいのですが(フジテレビ版『白い巨塔』では現代に移行しましたが)、残念なことにその当時の雰囲気がまる
    で出ていなかったことです。とりわけ、現在の日本に適当なロケ地がないため、上海でロケをした場面を多用しましたが、その場面がまるで日本の雰囲気が出て
    いなく、むしろ中国的だったことです。この意味で、上海ロケは作品上マイナスではなかったでしょうか。総括してみれば、74年の二つをリアルに見てきた私からいえば、今回のは遙か下にしか評価できません。それでも、最終回には30%を超える視聴率をたたき出したことは、やはりキムタクの人気が高いことをあらわしていると思います。なお、中国内では現在では日本発売を元版としたDVDは出回らなくなったので、HDVDも含め日本語字幕の付いたものを手に入れることは出来ません。なお、日本発売の正規版なら、現在では日本語字幕付が基本です(TBSは他局に先駈けて字幕付でした)。

  4. xinhua より:

    さすが先生です。『華麗』へのコメントはすばらしい。
    先生が74版の『華麗』を忘れられないみたいだと思います。
    中国の若者の私ですが、74版の『華麗』を見たことがないので、74版の『華麗』を評価できません。
    でも、私は先生の気持ちをよく理解できると思います。
    なぜならば、中国のドラマ版『射雕英雄伝』は原因です。
    『射雕英雄伝』(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%84%E9%9B%95%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D)
    先生がよくご存じないかもしれませんが、私と同時代の人たちによって、83ドラマ版『射雕英雄伝』が記憶にとどめました。
    『射雕英雄伝』というと、すぐ83版射雕の俳優たちの声や姿を覚えます。
    ですので、02中国CCTV版『射雕英雄伝』が放送されましたが、私はぜんぜん見るに耐えられないと思っていました。
    多分先生の気持ちと似ているんでしょうか。
     

  5. 正大 より:

    華@東京さん、『射雕英雄伝』は見ていないので分かりませんが、武侠ものとして人気があるようですね。さ
    て、『華麗なる一族』ですが、毎日放送版は現時点では見れません。しかし、74年1月公開の映画版ならDVDで見れます。山本薩夫監督は『白い巨塔』・『華麗なる
    一族』・『不毛地帯』と続く山崎豊子原作3部作の力作を世に送りました。。主役大介は佐分利信(政治家などの大物役として第一人者、当時64歳)、鉄平役
    は仲代達矢(新劇出身のスターで、当時41歳)、相子は妖艶な京マチ子(映画出身のスターで、当時49歳)と、いずれも映画において主役の実績十分で、は
    まって魅せるものがありました。なお、今回のドラマの大介役の北大路欣也(当時30歳)は一ノ瀬四々彦役で出演しています。ドラマ以上に、原作が煮詰まっ
    て、211分が長く感じません。ぜひ映画と今回のドラマを比較してみてください。

  6. xinhua より:

    はい、分かりました。

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