冷鍋魚―成都雑感〔19〕―

 今回紹介するのは、火鍋の一種の「冷鍋魚」です。まず、火鍋と同様な麻辣味のスープ(鍋底)であらかじめ調理済みの魚の入った鍋が運ばれてきます。この調理済みの魚を各自の取り椀に取り分けて、これを食します。鍋の中に入れる魚は当然ながら長江育ちの川魚で、花鰱魚(レンギョ)が一般的で、1kg前後を入れて食します。写真1は、取り分けて取り椀に入った魚(頭部分)です。

060704栄金華魚頭 001

 写真2は、この鍋です。全ての魚を食してから、鍋に火を付けて好きな食材を火鍋と同様に入れて食します。したがいまして、最初は調理場で鍋に火をかけて調理された魚が少し冷えて味が身に染みこむようにしてから鍋ごと運ばれますので、「冷鍋魚」と呼ばれるわけです。

060704栄金華魚頭 002

 これは北宋の政治家・詩人蘇軾=蘇東坡(四川省眉山出身)が、重慶を訪問した際に、食した魚料理に手を加えて名付けたといわれているものです。この起源譚は少々うなずけないところがあります。火鍋が清後期の庶民料理に起源を持つのものですから、火鍋系の「冷鍋魚」が北宋時代からのものであるとはいえないでしょう。美食家としても知られた蘇軾に由来を求めた「冷鍋魚」の一種の宣伝でしょう。それはともかく、この由来譚は、元祖火鍋と同様に「冷鍋魚」が重慶生まれであることを表すものです。「冷鍋魚」に関しては成都三只耳有限公司が成都市に5店舗と、さらに中国全土へとチェーン展開をしており、もっともポピュラーな店といえましょう。今回行ったのは、西南交通大学に近い、交大路の金牛区公安分局対面の交桂路を入ったところにある栄金華魚頭(金牛区交大智能二期綜合楼二楼)です。3人で魚を主体に食して、前菜(鴨舌―写真1後方)とビールを入れて80元ほどです。どうぞお試しを。

(2006.07.05)

広告

kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
カテゴリー: 食事 パーマリンク

冷鍋魚―成都雑感〔19〕― への3件のフィードバック

  1. xiong2_gongzi より:

    来月成都へ行った折に立ち寄りたいと思っていた店のひとつ「三只耳火鍋」のことを調べているうちに、この「冷鍋魚」が名物料理のひとつだということがわかりました。中国の料理は素材や調理法をストレートに表現しているものもあれば、そうでないものもあり、また同じ料理なのに店によって名前が違う場合もありますね。今回のこの「冷鍋魚」はストレートな表現だろうと思いつつもこれと断定できるイメージがなかったので、このご説明によって深く納得した次第です。どうもありがとうございました。(xiong2)
     
     

  2. 正大 より:

    「迷上了中国!」xiong2&gongziさん、来月成都訪問とのこと、大いに四川料理を楽しんでください。冷鍋魚は魚を主体とした料理です。火鍋をお楽しみなら、「「「川江号子」精油火鍋―成都雑感〔13〕―」(2005年12月23日)で紹介した清油(植物油)火鍋や、高級店では皇城老媽火鍋皇城店(二環路南三段20号 8513-9999)や炮子火鍋城沙湾店(沙湾路-二環路北一段手前)がお勧めです。なお、九寨溝・黄龍をゆっくりお楽しみなら、現地まで飛行機・バスで移動し、九寨溝・黄龍間はバスかタクシー移動がよいかと思います。時間がなく費用を節約するなら、成都で中国人向けツァーに参加するのが手です。

  3. xiong2_gongzi より:

    どうもありがとうございます。私は初めての成都ですが、妻は17年前以来3度目です。妻は根っからの三国演義迷で、毎日でも武侯祠に通いたいと申しております。九寨溝・黄龍は私はさほど興味が無いのですが、一緒に旅行する仲間の2人が途中2泊3日で行くことになっており、成都の旅行会社に直接電話して申し込んだようです。
     
    私たちの旅行は、昼間自由に行動し、夕食のレストランで合流してその日に行った所、あったことを話して盛り上がるという趣向になっています。そのため、夕食のレストランだけは日本から予約して行くことにしています。ちなみに今のところ、「陳麻婆豆腐」(支店は未定)、「三只耳火鍋」、「順興老茶館」、「欽善斎」(薬膳料理)、「銀杏川菜酒楼」の5店舗で考えています。ご紹介いただいた「皇城老媽」は上海でも人気ですが、成都でも同じですね。「三只耳」とどちらにするか悩みどころです。
     
    それではどうも、おじゃましました。(xiong2)

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中