DVDソフト事情(6)日本原版ボックスの海賊版が復活―成都雑感〔4〕―

中国で、日本の民放テレビドラマを見るにはどうすればいいでしょうか(NHKは衛星でワールド放送が見られれば即時に見られます)。以前は、中国語吹替え板ですが、中国のテレビで放映がありました。これらは日本での放送よりかなり経ったものでした。いろいろな事情で、現在これは行われてはいません。

しかし日本のドラマは見られるのです。別に日本から録画などを送ってもらわなくてもいいのです。これには大きく二つの方法があります。一つはWebサイトからのダウンロードです。もう一つは海賊版のDVDで、これには3種類あります。1は圧縮DVDHDVD)、2は放送録画の海賊版、3は日本発売正規版の海賊版です。これらにはそれぞれ長所と短所があります。以下それぞれを説明します。

まず、Web
イトのダウンロードです。現在中国国内には映画やドラマなど映像コンテンツをダウンロードするサイトが複数あります。もちろんこれらは知的財産権を侵した
国際的には非合法のものです。アメリカ・中国・日本・韓国など世界中のコンテンツがあります。ここの利点は、手軽であることです。パソコンとネット接続環
境さえあればいいのです。次に、登場が早いことです。例えば、12日に放送された日本テレビの菅野美穂主演『あいのうた』第1回が14日には中国語(繁体字)字幕付でアップロードされているのです。この早さは、HDデッキかパソコンで録画し、それをネットで中国に送り、翻訳・編集の上アップロードしており、この一連の過程が極めて組織化されており、いわば企業化されているといえましょう。同時に、これはWeb上だけでなく、DVD
も流れていることから、また繁体字字幕であることから、大陸のみならず、広く世界の中国人を対象にしていると思えます。この一連の流れは一つの産業といえ
るでしょう。これらの利点から、学生層を中心に利用が広まっています。短所は、中国国内のネット状況ではダウンロードに時間がかかることです。ドラマ1回
分がおよそ200MB以上の容量があり、ADSLがまだ1Mbが普通で、それも実際にはそれほどのスピ-ドが出ていないのですから。それに画質も劣り、VCD並みかそれ以下です。

圧縮DVDMPEG-4規格により画像化したもので、画質がVCD弱程度ならば1枚に10話位まで入るものです。価格は1
4元です。現在最も品数が豊富です。これが登場するのも早く、最終回終了後、1・2週間で出てきます。テレビ東京を除いて(この局のものは他のシーズンで
もほとんど見かけることはありません)、夏ドラマはほとんどすでに市場で見かけます。それがどういうものか、伊東美咲主演『電車男』を例にして示します。
これは3枚組で、それが紙パックに入っています。表紙には伊東美咲の写真やイラストの電車を挟んだ主役の二人の宣伝物のコピーがデザインされています。1
枚目が1~7話、2枚目が8・9話、3枚目が10・最終話となっていて、価格は12元となります。1~10話までは9:6画面で簡体字字幕付、最終話のみ4:3画面で繁体字字幕付となっています。もちろん字幕は固定です。チャプターは各話毎です。画質はVCD並みで、最終話が少し落ちます。これらのことは、圧縮DVD制作者とWebサイトとは関係していることを窺わせます。なお、圧縮DVDはどうしてもエラーが他と比べると多く、パソコンでは視聴不能となることがしばしば起こります。その意味では、見られるかどうか賭のようなところがあります。

放送録画のDVDは1枚の価格が6元です。一般に6枚組でボックスになっています。圧縮DVDより遅れますが、2週間程度で登場します。例として、妻夫木聡主演『SLOW DANCE』を示します。6枚組36元で1枚に2話分入っており、最終回のみ単独で1枚となっています。9:6画面で各話とも5チャプターになっています。字幕は2枚目までが簡体字で以降は簡体字・繁体字両方があり、いずれも字幕をoffに出来ます(一般にはこの手のものはoffに出来ません)。画質はDVDより若干落ちる程度です。各枚には最初に警告文(2005年)が続いてフジテレビ発売のDVDを示すロゴ動画があり、タイトルメニュー画面があり各話と字幕選択が出来るようになっています。これらのことはこの手のDVDでは今まで見かけなかったことで、正規版らしく作られていることになります。ボックスはタイトルや出演者の写真をコピーして(おそらく宣伝用の流用)、それに簡体字の説明を加えて、作成されています。しかも、今までのは製品内容規格表示の部分が明らかに正規版ではありえない表記でしたのが、なんとこれではTBSの春ドラマ『夢で合いましょう』のをそのままコピーして使用してありました。その意味で、手が込んでいて、本物らしさを示そうとしています。

以上の3種はいずれも放送録画を元版にして作成されていますから、CMは基本的に削除されていますが、タイトルなどでCMが挿入されていて切れない場合はそのまま挿入されています。また地上波のアナログ放送の録画の場合は当然ながら臨時ニュースなどの字が画面に入ります。しかし、最近では放送録画も地上波デジタル放送からが基本になっていくようです。

最後は日本発売の正規版からの海賊版DVDです。これはこの春から成都の市場に新譜が消えたと、9月14日付で述べました。しかし、10
の国慶節を前にして復活してきました。春・冬ドラマの新譜が出てきました。しかし去年の秋ドラマは見かけず、その数は以前に比べるとまだ少ないです。また
置いてある店も少なく、やはり以前とはまだ異なります。その中で、草彅剛主演『恋におちたら』(日本9月9日発売)を例に示しましょう。これは10月7日に見つけました。6枚組36元で、元板通りに1枚に2話分入っており、6枚目は最終話と特典映像が元版のまま全部入れあります(特典映像は省略されることが多いです)。それに各話には簡体字・繁体字両方を、特典映像にも簡体字字幕(今までは特典映像には中国語字幕が付かないのが普通です)を、字幕off機能で入れてあります。すなわち中国語字幕を加えて元版をそのままコピーしたものなのです。ただ、ドラマから始まりタイトルメニューが最後に出るところは中国での海賊版の一般です。したがいまして、画質・音質ともオリジナルそのままということです。ボックスも元版をそっくりコピーして、それに繁体字でタイトルや説明を加えて、制作されており、表表紙の「恋におちたら」のタイトルも単なる印刷だけでなく、浮き出しとなっています。

以上ですが、早さ・安さを取るか、遅くても品質を取るかです。中国の現状では品質より早さ・安さの方が受け入れられているところです。それが、Webや圧縮DVDの繁盛となり、正規版を元版とする海賊版DVDが以前ほどではない原因でしょう。

(2005.10.16)

広告

kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
カテゴリー: 映像 パーマリンク

DVDソフト事情(6)日本原版ボックスの海賊版が復活―成都雑感〔4〕― への3件のフィードバック

  1. より:

    こんにちは。はじめまして。京都からお邪魔します。Booの冒険探検ブログはさまざまなMSN用技術を公開しています。あっと、驚くようなブログをもし作りたいなら、是非一度覗いて見てください。Booのような斬新なブログは日本では見たことがないはずです(中国人はみんなやってます。日本人はその点若干出遅れていますね)誰もこんなことはできないと思っているでしょうが、実はできるのです。MSN以外のブログも同じですね。しかし、その方法を使えば使うほど派手になり小生はシンプルに戻したいという反省もあります。たかが、ブログですね。しかし、どんな形や体裁にしろブログの性質は自己満足に近いものがあるようです。なら、楽しく、面白いものももいいのではないでしょうか。というわけで、一つの提案として見てみて下さい。そんなに難しくありません。BooのIT講座をよくみてやればできます。但し根気だけですね。

  2. 正大 より:

    ペキニーズBooさん、はじめまして、当Blogへようこそ。残念ながら、貴BlogからMSN用技法へのリンクは、当成都からではアクセスできません。接続拒否となります。まあ、私のBlogは読みを中心としており、文字を標準より大にしているのはそのためです。写真はおまけです。また、表示記事数を目一杯にしているので、あまり重くはしたくありませんから、単純な方がいいかとも思っています。

  3. より:

    先生 読みました。 勉強になりました。 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中