モバイルデジタル液晶テレビ付バス―成都雑感〔9〕―

以前から成都にはテレビ付の市内バスがありました。今回下の写真でお見せするのは、モバイルデジタル放送を受信する液晶テレビ付の市内バスです。

このモバイルデジタル放送は、2003年1月に上海で試験放送が開始されてから、湖南省長沙・北京・河南省鄭州・江蘇省南京などへと拡大し、全国に普及中のもので、ヨーロッパのDVB-T(Digital Video Broadcasting Terrestrial)方式により送信放送され(その後、中国独自の規格DMB-T―Digital Multimedia Broadcasting for Terrestrial―などが加わりました)、今のところ主に市内バス・タクシーなどが利用しています。それぞれの都市で専門の放送局を設立し、広告収入で運営されていますが、今のところ経営的には厳しいそうです。ヨーロッパ方式はまだEUでは試験中で、中国がいち早く商業化したことになります(日本でも独自の規格―ISDB-T〔Integrated Services Digital Broadcasting Terrestrial〕―を試験中で、携帯電話での普及を考えています)。なお、韓国は衛星経由のモバイルデジタルテレビを実用化しています。

成都移動数字電視台(成都モバイルデジタルテレビ局)がどの方式で何時開始されたかは残念ながら正確なところは分かりませんが(電視台のホームページはないようです)、今年春以前にさかのぼることなく、おそらくこの8月ではないかと思います。

さて写真1は、バス前部の全景です。左の乗客の頭の上に見えるのが液晶テレビです。成都移動数字電視台の放送が流れており、私が乗っているときは音楽番組でした。もちろん、CMも流れて、自社の広告募集もありました。このバスは運転手・車掌とも女性で、これは中国では普通のことです。現在は前乗り後降りとなっており、右の女性の位置が車掌の定位置です。ここで乗車してくる乗客から運賃(2元)を徴収するのです。運転手のパネル板右側は車体後部頂部の監視テレビのモニターです。それから、その右に黄色のポールの上にあるのがICプリペードカード用の料金精算機です。これにカードを近づければ自動的に料金が引き落とされるのですが、1回1人分しか引き落とされないので、複数人の場合はその人数分同じ動作を繰り返さなければなりません。なお、ワンマンバスの場合は、精算機の下の空間に料金箱を設置します。ちょうど横の黄色のポールの高さです。

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写真2は、バス中央から後部にかけてです。オレンジの椅子は高齢者弱者優先席です。この対面が降車ドアーです。市内バスでの椅子がアクリルむき出し(古くは木)であったのが、座面・背面ともクッション付と座り心地が良くなっています。このバスは窓が大型の1枚固定ガラスとなっており、運転手のいる最前部と最後部座席の所だけが開閉可能です。当然ながらエアコン付です。この車内は写真で見るように装飾されおり、これは国慶節(10月1日―中華人民共和国建国記念日)が近いからでしょうか。

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写真3は、東大街停留所で前方から撮った全景です。どちらかといえば全体的に角張ったデザインです(ここ数年の新車は曲線を多用したフォームでした)。このバスは成都自動車の製造です。なお、後方に見えるのは2階建てバスです。

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最後に、この56路バスはノンステップバスといい、先進的なバスが導入されるのが早いようです。56路は九里堤(西南交通大学西門から2つ目)と市南東部の紅砂村公文站を結び、途中、塩市口・東大街と、市の中心部を通り、東大街で下車すると中心繁華街の春熙路(イトーヨーカドー春熙路店もここにあります)です。また、八宝街で降りれば、大学から最も近い大型スーパーのカルフール八宝街店に行けると、便利な路線でよく乗っています。

(2005.09.23)

 

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kanazawa45 について

中国に長年にわたり在住中で、現在、2001年秋より、四川省成都市の西南交通大学外国語学院日語系で、教鞭を執っています。 専門は日本中世史(鎌倉)で、歴史関係と中国関係(成都を中心に)のことを主としていきます。
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モバイルデジタル液晶テレビ付バス―成都雑感〔9〕― への6件のフィードバック

  1. chao より:

    いつも当方のブログにコメントいただきましてありがとうございます.これからもよろしくお願いします。

  2. 正大 より:

    Shioshan1さん、こちらこそ。いつもBlogを見ています。

  3. より:

    DVB業界では、激しい競争が繰り広げており、どの方式を採用するかは膨大な利益が絡んでいる。中国は大きいマーケットを武器に自分の方式を採用したいが、聞いている限り、提案されている二つの方式がどれも問題があるそうで、やはりDVB-Tが主流になりそうですね。意外とこういうテストは、早くも開始しているようですね。北京と上海の実験を聞きましたが、こんな速くも成都まで拡大していることにびっくりしています。 

  4. 正大 より:

    tiantiantiantiantianさん、コメントありがとう。デジタルテレビは各国がしのぎを切っていますね。どの方式が天下を制するでしょうか。そういえば、H-DVDもどうらや、統一化できず、2陣営のバトルになりましたね。

  5. りーしゃ より:

    わぁー、広州と同じバスです!!当たり前なんでしょうが、めっちゃ懐かしくて思わずコメントしちゃいました・・。バスのテレビでたまに、今どこ走っているかを地図で教えてくれるのもありますよねー。ナビっぽいのんです。あれはすごく便利ですよね☆

  6. 正大 より:

    りーしゃさん、おひさぶり。中国から解放されて、いろいろなところへ飛んでいるようですね。中国でもデジタルテレビの本放送が視野にに入っていきましたから、各地でこのようなことがなされているのでしょう。ただ、方式が問題で、その試験も兼ねているのかな。

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